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nori

4月 042013
 

スズキ新型スペーシア試乗レビュー

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スペーシアって聞いたこと無い車、と思われる方も多いかと思われますが、スズキが3月に発売した新型車。

名前こそ変わりましたが、これまでスズキで販売されていたパレットの実質的な後継車種になります。

そう今テレビで堀北マキが盛んにCMしてるやつです。

じゃあ何で名前を変えたの?て思われる方も多いと思います。

別にパレットでもいいとは思うのですが、読んで字のごとく空間を意味する「スペース」をもじった車名の「スペーシア」と言うネーミングを与える事で、室内空間の広さを直感的にアピールするのが狙い。

ネーミング的にはあまりにも短絡的で、いかがなものかと首をひねりたくもありますが、この車のターゲット層は子育て世代のママという事を考えると、カッコイイ名前より、より分かりやすいう事に重点を置いたと考えれば納得します。

あとライバル他社のネーミングが、「タント」タンと積める、「N-BOX」箱のようにイメージしやすい名前だというのも関係あるようです。

まぁ、名前のせいでは無いと思いますが、ホンダのN-BOXの発売によって、パレット販売台数がかなり食われたというのも、名前を変えてまでの必死のパッチ(笑)なんでしょうね。

 

はい、いつものように前置きが長くなりましたが、いよいよ車の事に触れたいと思います。

こちらはリアシート。

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パレットの時代からウリにしていました、スライド機構付きの後部座席です。

リアシートを後方にスライドする事で成人男性が乗っても足元広々をですよ~と、言うのはスズキの営業マン。

さらに荷室スペースをある程度確保した状態でもホラこの通り余裕でしょう!と余裕?の発言。

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この時にすかさず言うのは、N-BOXは広いけどスライドしませんしね!とお約束のお言葉もいただきました。

確かにN-BOXはお足元広々だが、その代り荷室空間がちょっと狭い。

あれでは荷室にベビーカーも積めん!と思ってたら、そこはさすがホンダ。すかさず荷室の広いバージョンのN-BOX+なる車種を豆乳じゃなくて投入。

でもスペーシアの場合には、スライド機構があるため一つの車で用途によって荷室重視、乗員重視と両方に対応出来るのが利点かと。

この辺が買うときの大きなアドバンテージになるかどうかは分かりませんが、忘れずにチェックしたいところです。

 

さて次ぎにリアシートの折りたたみ方ですが、パレット同様パタっとたためて広々荷室が

というのは同じでも、たたみ方がこのヒモをひっぱるワンアクションでたためるようになりました。

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リアシートを畳めばこんな感じです。

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そう!お約束の自転車も詰めます!ですね。

実は私、色々な車のカタログでやたらと自転車が積めるのをアピールしているのをみて、そんことめったにせんやろ!と思ってました。

でも最近子供が大きくなり、親友達の話を聞く機会があり、ようやくその理由がわかりました。

習い事などで子供が自転車で出かけた時など、後ほど車で迎えに行かなければ行けなくなった、なんて時に自転車が積めると便利、との事。

それを聞いてあ~なるほどねぇ。と関心。

まぁ、たぶんこんな新車に、自転車は積まない(積みたくない)とは思うので、カタログの自転車詰めますアピールはもしもと言う時の安心感を買うようなもの?だと思います。違うか。

 

先にリアシートを説明してしまいましたが、フロント席も説明しないといけませんね。

これまでのスズキ車のツル?っとしたダッシュイメージとは違い、いかにも物が置けますよ、というような棚?みたいなダッシュ形状になってます。

ん~N-BOXを意識した?と言われてもしたか無いでしょうが、あくまでこういうダッシュの作りは今のトレンドなんでしょうか。

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やはり小物入れも豊富です。

さらに、ここからティッシュが取り出せます。

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あ~これもどっかで見たような、と言うのは言いっこ無しですよ。

 

すると、じゃあこれでどうだ!とばかりに天井からティッシュが登場(汗

おーいここまでせんでも(汗)と思いつつも、営業マンの説明を聞くと、後部座席で赤ちゃんのオムツを交換する時に、ここからサッとお尻拭きがが取り出せるそうな。

ん~これって便利なのかぁ・・と思うのは、あくまで男の意見。

女性の意見では無いので反論異論はあると思いますので、コメントは無しで(笑)

まぁ、要は子育て世代の女性に優しい至れり尽くせりの車、と言う事に徹底して特化した車という事なんでしょうね。

 

おっと試乗するまでに長くなってしまいました。

ここからはいよいよ試乗レビューになるわけですが、続きは次回のおたのしみ~!

その2へ続く・・・

 

 

3月 132013
 

お客様から「エンジンからすごい音がするのでコワくて乗れない!」との電話が。

自宅に出向きエンジンをかけてみると、カタカタと確かに音がします。

音はエンジンの回転をあげると、外からでもハッキリ分かるほどの打音です。

もしかしたらエンジンの内部?!

そうなると結構な修理代金になってしまいます。

 

その音はこんな感じです。


車両はL600型のムーヴ。距離は7万キロ台。

これまで当社に入庫整備の無い車でした。

 

この車、お客様に聞くと、1ヶ月ほど前に某ディーラー(D系ディーラではありません)で車検を受け、その時に結構な大修理をしたそうです。

もしかしたらそれが関係するかもと思い、車検の記録簿を拝見。

するとエンジンを車両から降ろすほどの整備暦がありました。

詳しい事情をお客様に聞くと、エンジンフレームが腐っていて危ないと言われ交換したとの事。

えっ!フレーム交換?

確かにムーヴのフレームは腐りやすいですが、危ないほどに腐るってどうなんかなぁ・・

 

でもそれだけお金をかけて車検をされたので、なんとかしてでも直さない訳にはいきません。

さらに音の原因を詳しく調べるため工場へ運ぶ事にしました。

 

工場で車両をリフトアップし異常個所をしらべます。

するとさっそく異常箇所を発見です。

普通は有るハズの物がそこに有りませんでした。

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それはオルターネーター(発電機)を固定しているステーターボルトです。

音の原因はこのボルトの脱落により、オルタネーターが固定されず、振動でオルタネーターがエンジン本体と接触することで、あのような打音が発生したものと思われます。

 

なぜ今回はすぐに原因が特定できたのかというと、実は過去に同型のエンジンで、同様の不具合の修理をしたことがあり、その事をふと思い出し「もしかして」と調べてみたらそうだったと言う訳です。

色々と経験が役に立つもんです。

と余談はおいといて、肝心のそのボルトはどうなった?かと言えば

実はこのボルト抜け落ちたわけではなく、ボルトの先のネジ山部分から折れてしまっていました。

まぁ、これも経験済みなわけで、想定の範囲内だったワケなんですが(笑)

 

ということで、新しいボルトを取り付けるためには、その折れて残ったボルトの先を抜かないといけません。

抜くためにまずは残ったボルト先にドリルで下穴を掘ります。

と簡単に言いいましたが、場所が場所だけにすんなりドリルが入るような所ではありません。

エンジンのサイドメンバーが邪魔で、普通のドリルなら無理でしょう。

 

幸いうちの工場には角度の曲がったドリルがあり、狭いスペースでも穴を開ける事が出来ました。

こんなやつです↓

もしこの道具が無ければ、修理のためエンジンを車両から降ろさないといけない所でした(汗

ただこの道具があっても本当にスペースがギリギリで、エンジンを出来る限り下げないと作業が出来ません。

そこでエンジンの乗っているフレーム固定ボルトをエンジンが落ちない程度まで緩め、エンジンを限界まで下げなんんとか作業が可能となりました。

 

下穴がある程度空いたら、折れたボルトを抜き取る道具が登場。

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と言っても単純なものですけどね。

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こちらが取れたボルトの頭の部分です。

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四角い短い箸のような物は、折れたボルト頭を抜き取る道具です。

 

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はい、こちらが折れたボルト先の拡大。

 

うまく抜けて何よりです。

これさえ抜けてくれれば、あとは新しいボルトを挿入し固定するだけです。

これにて一件落着となりました。

 

ところでこのボルトが折れた原因を言ってませんでしたよね。

ダイハツのディーラーさんに問い合わせたところ、このボルトの締め付けが甘いと振動でボルトが動き、金属疲労で折れてしまうそうです。

なるほど。さすが餅は餅屋。良く知ってます。

折れる原因は分かりました。

じゃやあこうなったのどうして?

 

届いた新品のボルトに何やら注意書きのようなものが・・

「ちゃんと規定トルクで締めてくださいよ」ですって。

断定は出来ませんが、同様の故障事例がある事から推測するに、ボルトが緩んで折れやすいという構造上の問題が一つ。

そしてもう一つが締め付けトルクが甘かったという、人為的な問題。

これらの2つの問題が複合して今回の故障が起こったのだと思います。

 

原因の追究は、まるで犯人探しのミステリーのようですね。

 

 

2月 262013
 

走行中すると、うなり音がすると言うことで入庫した、スズキエブリィバン(DA64系)のマニュアルミッション車。

いつものように試運転をしてみると、音感じではベアリング関係に異常がありそうです。

普通なら足回りのハブベアリングが破損している事が多いのですが、調べていくとどうやら足回りでは無さそう。

そうなると後はミッションかデフか・・

次は車両をリフトアップ、し車輪を空転させ調べてみます。

どうやら音の原因はミッション内である事が判明。

さらに音の種類から推測するに、ミッション内のベアリングに異常がありそうです。

原因がベアリングなら部品としては高価な物では無いため、中古を探すより、ミッションを分解修理する事にしました。

 

まずミッション本体を車両から降ろします。

おっとその前にミッションやトランスファーのオイルを点検。

トランスファーのオイルを抜くと銀色の粉のようなものが・・・

おそらく何らかの部品の鉄粉。

ミッション内の異常は間違いなさそうです。

 

前置きが長くなりましたが、ようやくミッションが降りました。

この車両は4WD車なのでトランスファも一体でミッションにくっついてきます。

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トランスファーのベアリングなら簡単なのになぁ・・とほのかな期待を寄せつつミッションを分解してゆきます。

すると分解を始めてすぐに、ミッションケース内からありえない大きさの鉄片がゴロゴロと出てきました。

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ありぁ~結構ひどい事になってるなぁ・・・

 

ひとまずトランスファーケースをオープン!

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こちらからも鉄片が出てきました。

写真で見えるのは4WDと2WDを切りかえるギアと、動力をフロントプロペラシャフトに伝えるチェーンです。

 

ここから更に分解を進めてゆきます。

以前に同じスズキの軽トラックのミッションを分解修理した事があり、今回も同じ手順でいけるよね♪と高をくくっていたのですが・・

 

なんと同じスズキの車でもミッションの構造が全然違う事が判明(汗

そこで修理書資料を取り出し分解を再開したのでした。

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分解を進めて行き、トランスファーケースを完全に切り離した時点で原因が判明。

アウトプットシャフトを支えているベアリングがガタガタでした。

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おまけにベアリングのボールまで転がってくるしまつ。

ここまでひどいとは思いませんでした(汗

 

こんな状態のベアリングにも関わらず走れていたのは、このアウトプットシャフトを支えるもう一つのベアリングがあったためです。

それは写真にあるギアの奥側のベアリング。

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こっちも先のベアリング程では無いにせよ、ガタが出始めていました。

 

ケースから取り外すと良くわかります。

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このベアリングですね。

 

こちらが先に話をしていたバラバラになったベアリング。

シャフトにはインナーレースしか残っていない状態です(汗

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こちらがトランスファーを分解した全体像。

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ミッションからのアウトプットをトランスファーケース内のシャフトにつなぎ、チェーンでフロントプロペラシャフトに伝えます。

 

こちらがトランスファーケース側のベアリングです。

これがバラバラになっていたベアリングの元の姿です。

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ベアリングを交換し、元通りに組み付け修理完了。

試運転するとイヤな音も無くなり静かになりました。

 

それにしても修理は完了したものの、ベアリングがあそこまでバラバラになる原因は良くわかりませんでした。

オイル管理?いやいやベアリングの破損に関してはオイルとは無関係なハズです。

 

ちなみに破損したベアリング自体は、どこのメーカーも使ってる日本の最大手のメーカー品でした。

そういえば以前修理したトラックに続き今回もスズキ車だった事を考えると、スズキ車のベアリングは壊れやすい何らかの理由があるのか?!と勘ぐったりします。

 

そういえば足回りのハブベアリングもスズキ車が一番修理する事多いような・・・

ん~謎(笑)

 

とんだ誤算

 Posted by at 3:29 PM  くるまコラム
2月 192013
 

今現在、修理の方で2つの大きな仕事を行なっています。

一つはエンジンヘッドのオーバーホール、一つはミッションの分解修理。

どちらも時間と手間と、またお金もかかる大きな修理です。

 

最近では車の故障も少なく、このような大きな修理が少なくなってきました。

それがたまたま重なってしまい、ただでも狭い工場を動けない2台の車両が占拠しています。

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エンジンの修理の方の車は、かれこれ1ヶ月以上の入院中。

どうしてこんなに時間がかかっているのかというと、修理を始めた段階ではここまで症状がひどいと言う事が分からなかった、のが始まりです。

 

故障の状況は水漏れによるオーバーヒートによる圧縮抜け。

普通この段階で、エンジンのヘッドガスケットを交換すれば直るというのが経験上ほとんどです。

しかし、いざエンジンを分解し調べると、エンジンのアルミ製ヘッドが熱によりひずみがある事が判明。

まぁ、これも想定の範囲内で、ひずみを修正するため、いわゆる面研を行ないました。

 

ひずみを修正し、組み付け再度エンジンを組み付けよしOKと行きたい所だったんですが・・

 

あかん・・エンジンの調子が悪い

再びエンジンの圧縮を調べると修理前と変わってない事が判明。

ん~まさかバルブがおかしいのか?オーバーヒートぐらいでバルブがいくとは思えんし・・・

ダイハツのディーラーさんなら何か知ってるかも、と思い問い合わせると、このエンジンはオーバーヒートでバルブもおかしくなりますよ、との事。

あ~そ~なんだぁ。

とガックリ。

 

もちろん分解した段階で、念のためバルブも交換していれば良かったんですが、それをするとそれに伴う部品代と手間賃を合わせると追加で5万ほど必要になります。

5万は軽い金額ではありませんよね・・

こちらとしては出来る限りお客様の負担を減らす修理をしたいと思っています。

でも今回は残念ながら、当初の予想を大きく上回る修理代と時間がかかる公算となってしまいご迷惑をおかけする事になりました。

 

車の修理はただ直せばいいと言うものではありません。

今の時代、いくらかかっても直してくれ、と言う方は稀で、普通は出来れば安い方が・・と言うのが大半のご要望です。

私は費用を抑える(手抜ではない)事を考えた整備も、今の時代の整備士に求められているものだと考えています。

ただ、今回の修理に関しては、最初の時点での見積もり金額を見誤った点を、大いに反省しないといけないと思う一件となりました。