前タイヤの内側が片減りするいわゆる内ベリ状態との事で、修理する事となった平成3年式のEG6型シビック。
タイヤを交換して半年もしないうちに内側だけが溝が無いくらいまで減ってしまっていました。
そこでフロントのアライメントが狂っていないか、サイドスリップテスターにて確認すると数値は大きくアウト側(車の前方側が広がっている状態)を示し、内減りの原因はこれでした。
しかし、これだけアライメントが狂うというのは足回りを強打したなどの原因があるはずですが、お客様によるとそのような事は無かったとの事。
他に疑われる原因としては、ステアリング関係、ボールジョイント、ホイルベアリングなどのガタ付きなどがあります。
この車は年式もさることながら、走行距離はなんと23万キロ!
普通走行でなんらかの異常があっても不思議はありません。
まずこれらの関係する箇所から点検からはじめました。
ステアリング、ジョイント、ベアリング関係共に異状はみつかりません。
そこで車両を持ち上げ下から調べてみると・・・
なんとロワアームのインナーブッシュが千切れているではありませんか。
ブッシュゴムが千切れ、普通な固定されるべき部分がガタついてしまい、アライメントが狂ってしまったというわけです。
この部分のブッシュゴムが千切れたという事例はこれまで経験した事がありませんでしたが、23万キロという走行距離はダテじゃないという事ですね。
そこでさっそく部品を注文する事となるのですが、普通ならブッシュだけという部品は無く、ロワアームとブッシュが一体のアッセンブリでしかないので左右交換となるとかなりの金額を覚悟していました。
ところがこの車両に関してはブッシュ単品での部品補給があるとの事でした。
今の新しい車では考えられない事ですが、古い車だからこそこういう部品が出るんでしょうね。
おかげで修理代も予定よりもかなり安くいけそうです。
こちらが取り外したロワーアームです。
基本的にロワアーム「A」の形をしているのですがこの車に関しては、分解が出来るようになっていて、ブッシュ交換がしやすくなっていました。
写真右側ののブッシュは千切れていませんでしたが、こちらもついでに交換します。
これが問題のブッシュです。
左右ロワアームとも分解しブッシュを交換。
サイドスリップを改めて調整し直し、試運転するとシビックらしっかりとしたハンドリングが復活しました。
お客様の話によると「そういえばハンドルもふらつく感じがしてたわ」との事でした。
足回りもシャキっと直って、お客様もまだまだこの車を大切に乗られる事でしょう。
めざせ30万キロ!(笑)
ホンダフィット(GE6型)ナビゲーション取り付け
新車で納車するオーディオレス車のフィットに外品のナビを取り付けました。
こちらの商品はお客様が
ネットショップ
で購入された物を持ち込まれての取り付けでした。
最近ではインターネットで購入されるというのが当たり前ですし、何より安いですよね(汗)
各メーカーとも最近はオーディオレス(オーディオ無し)車の設定があり、好みの外品オーディオやナビが純正オーディオを無駄にする事無く取り付け可能となっています。
ホンダのフィットもオーディオレス仕様が選べるようになっていますが、他メーカーとはちょっと異なりオーディオレス車には取り付け用のステーが別に必要だという事です。
他メーカーなら配線キットだけでいい物が、このステーと配線がセットとなった取り付けキットが必要となり6000円程度の追加の出費がかかってしまいます。
ちなみにディーラーオプションのナビを取り付ける場合にでも別途取り付けキットが必要となります。
新車価格を少しでも下げたいのは分かるのですが、この辺はちょっと不親切な気がしますよね。
こちらがオーディオのパネルですが、何故かこのパネルの内側にはバリがあり、これを取らないといけないようです。
取り付けの準備が出来、ここからはナビに必要な信号、車速、バック、パーキングの信号をとります。
車速信号を取る場所に関しては親切にオーディオカプラーから取り出す事が出来るようになっていました。
ところがバック信号を取る場所に関しては運転席足元のヒューズボックスの下の配線から取らなければいけませんでした。
パーキングに関してもサイドブレーキjから取らないといけません。
他社なら普通にナビ取り付け用に、車速、バック、パーキングの信号が取れるようサービスカプラーが用意されているのが今時普通なんですが・・・。
ディーラーオプションでも同様の手間がかかるのか・・と思うとホンダのメーカーの考え方にメカニックとして考えさせられます。
「整備のしやすさ」というのはお客様にとっては全くといっていいほど関係の無い事ですが、修理する側からすれば結構大切な事です。
修理しやすい車と修理しにくい車、果たしてどっちを売りたいと思いますか?
そのあたりが販売台数世界一になった某自動車メーカーとの違いかなぁ・・と思ったりもします。
H18年トヨタレジアスエース(KDH200)、タイミングベルト交換
トヨタのレジアスエースと言ってもピンと来ない人も多いかと思いますが、昔で言うところのワンボックスタイプのハイエースですね。
この車はディーゼル車になっていて10万キロでタイミングベルトが定期交換となっています。
最近のワンボックスタイプの車はエンジンが前にあるものが主流でですが、この車は昔のハイエース同様、助手席シートを持ち上げた下にあります。
ただシフト関係がフロアに無い為、エンジンルーム開口部が広くなっていて作業性は良くなっていますね。
このタイプエンジンはポンプとカムプーリの間のみをベルトで駆動しています。
そのためベルト交換自体の作業は比較的簡単に出来ます。
ベルト交換後10万キロを超えているなら、メーターのタイミングベルトウォーニングランプが点灯しているためそれを消去する作業をします。
手順を簡単に説明すると・・
ODO/TRIPスイッチの操作で行ないます。
1 IGキースイッチON
2 ODO/TRIPスイッチ(以下スイッチ)でODO表示にしIGキースイッチOFFにする
3 スイッチを押しながらIGスイッチONにし、そのまま5秒保持
4 5秒経過後、スイッチを離し、5秒以内に再度スイッチを押す
5 タイミングベルトモードになり初期値の「10」(10万キロ)が表示される
6 スイッチを押すごとに1万キロ単位で加算されるので次の交換時期に調整
7 スイッチを押したまま5秒保持し離す
8 ODO表示となりウォーニングランプが消えているか確認
昔はこの作業をするためにメーターを取り外したりしましたが、これなら簡単ですね。
ホンダオデッセイ(RB2)異音修理
エンジンのかけるとアイドリングでエンジンからガラガラと音がするという事で入庫しました。
お客様はエンジンオイルをしばらく交換してなかったからエンジンが壊れたかも・・と心配されていました。
確かにオイル交換時期はすぎていますが、オイルが空になってはいませんでした。
エンジンルームを開け音の出所を調べてみると、どうやらエンジン内部の音では無いようです。
また音の感じからしてファンベルトで駆動されている部品、パワステポンプ、ベルトテンショナー、ウォーターポンプあたりのようです。
そこでファンベルトを取り外しエンジンをかけてみると、音は止まりました。
次にウォーターポンプのプーリを手で回してみると、ゴリゴリとした感触があり、音の原因はこれのようです。
ウォーターポンプは水車の羽のようなもので冷却水を流す重要な部品で、壊れるとオーバーヒートを起こしてしまいます。
ウォーターポンプ取り外し作業
ウォーターポンプはこの奥に見えます。
上からカバー、パワステポンプ、テンジョナーを取り外し、最後にウォーターポンプを取り外します。
こちらが取り外したウォーターポンプです。
見た感じでは異状は分かりませんが、手で回してみるとゴリゴリとした感触があるのが再確認できました。
新品の部品に交換しエンジンを始動し、異音が無くなった事を確認し修理完了となりました。
今回の修理のようにウォーターポンプの異状で音がするという修理は古い車では結構よくあるんですが、この車は新車から5年半で走行も5万という比較的新しい車で、冷却水(クーラント)も錆などの汚れがある様子も無く良好な状態でした。
これぐらいの新しい車でのこの手の修理は、今まで経験した事がありませんでしたし、原因らしい原因も見つかりません。
そう考えると原因は品質的な問題?・・・と勘ぐりたくなる修理でした。