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8月 162021
 

久々の投稿となりましたが、今回紹介するのはダイハツタントのオイル消費(減り)の修理になります。

修理させていただく事になったお車は、平成20年式ダイハツタント L375S型になり走行は9万キロ。

症状としてはオイル消費がひどく、最終的にはオイル交換後2500km時点でエンジンより異音発生、オイル残量が500mlぐらいまで減少していました。
ただ、エンジンオイルを交換すると異音は止まり、普通に走れるようになるので、通常よりオイル交換スパンを短くするか、途中でオイルを足せば走れなくない状態ではあります。

とはいえ、これでは根本解決とはならないため、思い切ってエンジンオーバーホールして修理する運びとなりました。

肝心のオイル消費の原因ですが、外部にオイルが漏れている訳ではありません。
いわゆるピルトンからのオイル上がりで、エンジンのシリンダー内にオイルが入り、燃焼時にオイルを一緒に燃やしてしまいエンジンオイルが減るという事です。
ですのでオイル消費という言い方になるのです。

で、なぜピルトンからオイルが燃焼室に入ってしまうのかと言いますと、ピストンにはいわゆる圧縮を保つための、ピストンリングと共に、シリンダー内にオイルが入るのを防いだり、シリンダー壁面の潤滑オイルを掻き出したりする役目のオイルリングがあります。

そのオイルリングの機能が不全となり、オイル消費を引き起こしてしまうのです。

ではそのオイルリングが破損したり摩耗したりするの?という事になるのですが、この車の場合は原因はそうでは無くオイルリング部にオイルスラッジが詰まり固着し、オイルリングの膨張力を奪う事により、本来のオイルリングの役目を果たせなくなる、という理由です。
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前置きが長くなってしまいましたが、いよいよエンジン分解へと進みます。

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上の写真はすでにエンジン分解作業が進み、後はエンジンシリンダーヘッドを下ろすだけまで進んだ物です。

 

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こちらがすでに取り外されている、タイミングチェーンとカムシャフト類。

これまで作業内容は、長くなるので割愛させていただきます。

 

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シリンダーヘッドが下りてようやくピルトンを拝むことが出来ました。ありがたや~(笑

ピストンヘッドを見るとそれなりにスラッジが堆積している様子が分かりますね。

 

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そしてこちらが取り外されたピストン。

 

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3本のリングのうち、コンロッド側にある波状になった形状に見えるのがオイルリングになります。

やはりスラッジで固まってしまって固着していました。

 

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こちらが取り外されたピストンリングNo1とNo2、そしてオイルリングです。

オイルリングは波状リングとそれを挟むように上下に薄いリングとの3層構造になています。

オイルリングはスラッジが固まっていて取りにくい場合があるようですが、意外とすんなり外れました。

ただ、はめる時に少し苦労しました。

溝のスラッジをちゃんと除去しないと中々入らないのと、入れやすい順番があって私の場合は波状リングを先に入れてから、上下の薄いリングを後ではめました。

正式な入れる順番とかあるのかもしれませんが、その辺は修理書には書いてなかったようです。もちろんリングの切り欠きをずらすのは基本ですね。

 

3つのシリンダーピストンのオイルリングを交換し、今度は組み付け工程に移ります。

ピストンをシリンダーに入れる道具を久々に使うもんで、その道具を見つけるのに一苦労でした(笑

無事に組み終わり試運転して確認し、お客様に納車。

今回の修理はオイル消費なので、目に見えてどこが直ったという訳ではありませんので、結果は3000km後に分かる、という事になります。

 

今回のピストンリングの固着でのオイル消費ですが、オイルメンテナンスの不良が主な原因ではあるのですが、ただこの車のエンジンの場合はそれだけでは無いように感じています。

うちのお客様で同じタントのお車なんですが、年間走行が3万キロぐらい走るので、オイル交換がそれほどマメに出来てないにも関わらず、15万キロ走った時点でもオイル消費はしていませんでした。
あくまで個人の私見ですが、車にあまり乗らなくてエンジンをかける事が少ない車の方が発生しやすいのでは、と思っています。

修理に詳しいメカニックの方なら、よくご存じかと思いますが、この年式あたりのタントに限らずムーヴなど同じKFエンジンを使っていますが、実は比較的良くある事例なんですよね。

ちょっと前まで、ダイハツさんは同じ修理を延長保証でされていたと聞きます。

ちなみにダイハツさんだけではなく、ト〇タさんのエンジンでも、この辺の年式の車で同様の原因でオイル消費が頻発していました。

まぁトヨ〇さんの場合は、スラッジ関係なしに負圧でシリンダーがオイルを吸い上げるパターンのオイル上がりが多いみたいですが。

ただその場合も結局はピルトンのオイルリングを交換していたみたいですね。

そのためピストンのオイルリングに何らかの問題があるのでは?という憶測も流れましたがあくまで憶測という事で、真相は皆さんもネット上で探してみて下さい(笑